とある学生の一日 ~バドミントン~

「パァン! パッパッパス…」 けたたましい打撃音が体育館に響く。

体育の授業、相手はテニス部の自称エース A、スマッシュは全て私めがけて狙ってくるとんでもねぇ野郎であります。

Aはドロップ交互を巧みに使い、私の体力をジワジワと奪ってくる戦法に出ました。そして隙あらば私に向けスマッシュと、やはりとんでもねぇ野郎であります。

対する私は毎日の安全且つ迅速な帰宅をモットーとする自称
帰宅部の鑑」 どちらも似たような境遇であります。

幾度となく迫ってくるスマッシュ、それを必死の形相で打ち返す私、それを眺めるA、心なしかAが悪役顔負けのドス黒い
笑みを浮かべています。
私の体力も限界に近く、足はガクガクと震え、生まれたての小鹿となっていたのであります。

そして終盤、必死の抵抗虚しくAが特大スマッシュの体勢へと移ったのです。こんなの当たったら私が終わります。
(踏み外して転ばせてください) と私は神に祈りますが、神は答えてくれません。サボタージュ実行中のようです。

私はラケットを顔の前に構え、防御に全てを懸けました。
だが流石はA とんでもねぇ野郎であります。
それを見抜いたのか顔面ではなく胴体へと狙いを定めました。
シャトルコックとかいう魔球は私の腹筋を直撃し悶絶のあまり私はその場にダウンしました。